レブロン・ジェームズが息子たちに送った「非情」のメッセージ:エリートではない道こそが「本物」の成功を生む
NBAのスーパースター、レブロン・ジェームズ。彼は幼少期から「選ばれし者(Chosen One)」として世界中の注目を浴びてきました。しかし、そんな彼が自身の息子たち、ブラニーとブライスに送ったメッセージは、意外にもエリート街道とは全く異なるものでした。今回は、スティーブ・ナッシュとのポッドキャスト「マインドtheゲーム」でレブロンが明かした、彼の「愛ある”非情”なメッセージ」の真髄に迫ります。
父親レブロンの「心に火をつける」メッセージ
レブロンは、息子たちとのグループチャットで、時に彼らの心に火をつけるようなメッセージを送ると言います。昨年6月18日、彼は息子たちにこんな言葉を贈りました。
「成功への道は人それぞれだ。だから集中し続けろ、そして忍耐強くあれ。」 “Everybody’s road to success is different, so stay locked in and patient.”
このメッセージの背景には、あるNBA選手のキャリアが紹介されました。
エリートではない道を選び、チャンピオンになった男:デリック・ホワイト
レブロンが息子たちに伝えたメッセージの例として挙げたのは、ボストン・セルティックスのデリック・ホワイト選手です。
彼のキャリアは、いわゆる「エリート街道」とはかけ離れていました。
- 高校時代は無名で、NCAAディビジョン1からの奨学金オファーはゼロ。
- ディビジョン2の大学で3年間プレイ。
- そこで実力を証明し、ようやくディビジョン1のコロラド大学へ編入。
- そして今、彼はNBAチャンピオンチームに欠かせない重要なプレイヤーです。
レブロンもナッシュも彼を「とんでもない選手だ(Hell of a Player)」と称賛しています。レブロンは、彼のキャリアを「大通りが通行止めだから誰も通らないような細い裏道をひたすら自分の足で歩いて切り開いてきた」と表現しています。
このデリック・ホワイトの例を通じて、レブロンは息子たちに、他人と比べるのではなく、**「自分の現在地を正確に把握し、目の前のことに集中し、時が来るのを辛抱強く待つ」**ことの重要性を説いているのです。
「雑草」がNBAの頂点に立つのは珍しくない
ポッドキャストの共同司会者であるスティーブ・ナッシュは、実はデリック・ホワイトのようなキャリアの方がNBAではより「普通」だと指摘しています。ドラフト1巡目でエリートとして入団する選手はごく一部にすぎません。
実際、私たちが知るNBAのスター選手の中にも、最初からエリート扱いされていた選手は意外と少ないのです。
- スティーブ・ナッシュ自身:奨学金は1個からしか来なかった。
- ステフィン・カリー:父の母校ですら奨学金をくれなかった。
- カワイ・レナード:高校時代の評価は全く高くなかった。
- ニコラ・ヨキッチ:ドラフト2巡目、全体41位指名。指名シーンはタコスのCMのせいで放送すらされなかった。
彼らは皆、それぞれの場所で、それぞれのペースで成長し、リーグの頂点にまで登り詰めた「雑草たち」と言えるかもしれません。
私たちの人生にも通じる成功の本質
このレブロンのメッセージは、バスケ選手を目指す若者だけでなく、私たち自身の生き方にも通じる本質的な教えを含んでいます。
生まれ持った才能やエリート街道というのは、後から作られたストーリーに過ぎないのかもしれません。 ほとんどの人はデリック・ホワイトと同じように、誰にも見られていない場所で、地味で地道な一歩一歩を積み重ねているだけなのです。
スポットライトの外にこそ、本物のドラマがある。
他人の華やかなキャリアを見て焦る必要はありません。SNSで流れてくる同世代の活躍に心を乱される必要もありません。自分の信じる道を進み、ひたむきに努力を続けること。それが、真の成功へと繋がるのかもしれません。
このブログ記事は、YouTubeチャンネル「Prime Time EIGO」にアップロードされた動画「【父レブロン】「お前は天才じゃない。その他大勢だ」――レブロンが息子に送った、愛ある”非情”のメッセージ。【ポッドキャスト抜粋】」のトランスクリプトの内容を基に作成されています。
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