ロバーツ監督のポロリ本音:大谷・山本・佐々木、ドジャース内の「見えない壁」とは?
ロサンゼルス・ドジャースで活躍する日本人選手たち。大谷翔平選手、ドジャース2年目の山本由伸投手、そして今シーズンから加入した佐々木朗希投手。彼らがメジャーリーグの最前線で戦う中、監督とのコミュニケーションはどのように行われているのでしょうか?デイブ・ロバーツ監督が思わず漏らした本音から、**日本人選手間の驚くべき「格差」**と、そこに見え隠れする「見えない壁」が見えてきました。
大谷翔平選手:監督も踏み込まない「全幅の信頼」
まず、大谷翔平選手についてです。ロバーツ監督は、日本向けのメディアでこのように語っています。「Shohei basically has the Dodger staff take care of him. There’s so many people talking to him, I don’t want to add to his plate.(大谷にはドジャースのスタッフがしっかりついて面倒を見ている。すでに多くの人が彼に話しかけているから、これ以上彼の負担を増やしたくない)」。
ここでの「add to one’s plate」とは、誰かの負担や仕事量を増やすという意味です。つまり、大谷選手はすでにエージェント、ドクター、トレーナー、コーチ、知人など、非常に多くの人々とコミュニケーションを取っているため、ロバーツ監督はあえて踏み込まないようにしているのです。これはまさに、大谷選手がドジャースの「顔」として全幅の信頼を置かれている証拠と言えるでしょう。
山本由伸投手・佐々木朗希投手:なぜ「彼ら自身のチーム」が必要なのか?
しかし、ドジャース2年目の山本由伸投手とルーキーである佐々木朗希投手については、ロバーツ監督のコメントが大きく異なります。
「I have people on their team help with the… just uses the Dodger staff. So the Dodgers training staff, Thomas Albert, head trainer works a lot with… Oh, no, sorry. So with Yoshinobu and Roki, they both have people on their team help with the communication and just kind of their regimen. But then with Shohei, just uses the Dodger staff.(彼らのチームの人々が助けている…。ドジャースのスタッフだけを使っている。ドジャースのトレーナー、トーマス・アルバートヘッドトレーナーが多くの時間を共にしている…あ、ごめんなさい。ヨシノブとロキに関しては、彼ら自身のチームの人間がコミュニケーションや日々の管理を手助けしている。でもショウヘイの場合は、ドジャースのスタッフだけだ)」。
このコメントから見えてくるのは、大谷選手がドジャースのスタッフのみでケアされているのに対し、山本投手と佐々木投手は、ドジャースのスタッフに加えて「彼ら自身のチーム」の人間が数人手助けをしているという事実です。
コミュニケーションの「複雑さ」がはらむ不安
山本投手はメジャー2年目、佐々木投手は今シーズンからドジャースに加入したばかりです。彼らが個人契約しているスタッフを帯同させるのは、言葉の壁や慣れない環境での不安を解消するためと言えば聞こえは良いかもしれません。
しかし、これが本当にドジャースが彼らを全面的に受け入れていると言えるのでしょうか? ロバーツ監督、コーチ、トレーナー、そして彼らの持ち込みスタッフ。もし意思疎通の際に、監督やコーチの指示が彼らのチームの人を通して伝わるとすれば、タイムラグや情報のねじれが生じる可能性はゼロではありません。
メジャーリーグの厳しさを考えれば、このコミュニケーションの複雑さが彼らのパフォーマンスに影響を与えてしまうのではないか、という不安がよぎります。もちろん選手をサポートしたい気持ちは理解できますが、これが本当に彼らの成長にとって、そしてチームにとってプラスに作用するのかは疑問です。
さらに興味深いのは、ロバーツ監督が「Shohei basically has the Dodger staff take care of them」と言った時に、一瞬口の動きが「our staff(私たちドジャースのスタッフ)」と言いかけてから「their staff(彼らのチームスタッフ)」と言い直しているように見える点です。これは、「私たち(ドジャースのスタッフ)」と「彼ら(山本・佐々木両投手のチームスタッフ)」との間に、ロバーツ監督自身も「壁」を感じていることの表れではないでしょうか。
まとめ:「見えない壁」の先にある未来
メジャーリーグで最高のパフォーマンスを発揮するには、チームとのしっかりとした連携が不可欠です。ロバーツ監督の言葉の裏には、大谷選手への絶大な信頼と、山本・佐々木両投手への期待と同時に、まだ見えない壁を感じているという本音が隠されているように見えました。
これからの彼らの活躍はもちろん応援したいですが、この「コミュニケーション格差」が彼らのメジャーでの未来にどう影響していくのか。我々ファンは、彼らのプレイはもちろん、彼らを取り巻く環境にもこれから注目していく必要がありそうです。
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